2025年9月13日〜11月30日まで行われていた国際芸術祭「あいち2025」に2回行ってきましたので、つらつらと感想を書いておきます。
なぜ行こうと思った?
今年、2025年は大阪・関西万博があったことで国際的な作品に多々触れてきていて、国家を横断するようなテーマをもった作品やそれらの構成の根底にある思想に興味を持っていたので、3年に一度しか開催されない芸術祭にせっかくだから行ってみようと思ったのがきっかけです。
なのでかなり前向きに色々と調べたりもしましたし、チケットも色々な会場に行くことを見越してフリーパスを買ったりしました。
仕事との兼ね合いもあったりで芸術文化センターしか観覧することができなかったので、瀬戸市のまちなかとか、陶磁器資料館などを観て回ることができなかったことが心残りですが……それでもアーティストの思想の一端に触れられ、認知していなかった問題・課題を知ることや、アーティストが示すなにかを感じることができたこと、そして自分が何が好きなのかや何に興味をもっているのかに改めて思考を向けることができたことが収穫でした。
印象的だった展示
まずは芸術文化センター10階でのムルヤナさんの作品です。<海流と開花のあいだ>というタイトルで、多彩・多色な海の中の景色を編み物で表現されていました。周囲を歩き回ると、照明の加減で昼間の海の中に見えたり、薄暗くなった後の海の中に見えたりと、規模の大きい展示ならではの見方ができ、海にある生物の多様性や生と死を感じることができると思います。個人的には、編み物で作られているのは海の中の生物の積み重ねてきた時間を想像させてくれたので、時間をかけてはぐくまれてた海の豊かさのようなものを感じました。解説を読んだ後、失われていく海の美しさを残そうとする試みの一端なのだなと理解を深めることができました。個人的には人の立像にりみえる珊瑚のかたまりと、クジラの骨が好きでした。

次は杉本博司さんのジオラマシリーズです。
写真を使った作品制作で、世界で活躍する杉本さんのことは以前から知ってはいたのですが、実際の作品を目にするのは初めて。その美しさにびっくりしました。
静謐さという言葉が確かにしっくりくる作品で、静かだけどエネルギーを感じるものとなっていました。プリントがめっちゃ美しいです。
写真を使った表現を志す者としては、自身のコンセプトやテーマ、何をどう撮るかをしっかり見返さないとなあと改めて思わせてくれました。ただ、作品解説をしっかり読まないと杉本さんの探求する「間」や「ロスト・ヒューマン」にたどりつくことが、私には難しかったです。ただ、作品解説を読んだ後にはかなりしっくりくる写真作品だと思います。
大きくプリントされた写真作品をじっくり閲覧する贅沢を、ぜひ味わってほしいと思います。

大小島真木さんの作品は、循環する生命をテーマに、造形と文字を使った作品でした。色々な生命の組み合わせ(キメラ)がとても目を引いたので、作品のキャプションをよく読ませてもらった記憶があります。<土のエクリ>での造形が印象的かつ衝撃的でした。美しくもあり、不気味でもあり、人間を超えるなにかが具現化されている感じ。

閉館まで1時間というなかで駆け足で色々と観ましたが、10階を出た後はミルナ・バーミアさん、久保寛子さんの作品を観ました。
ミルナ・バーミアさんの作品はオクラやニンニクなどをもとに作られたカラフルな陶器のオブジェであり、観ていて楽しいものでした。見た目のポップさとは裏腹に、ミルナ・バーミアさんにとってはこのプロジェクトは自己治癒と述べられているらしく、作家さんにとって特別な意味があるんだなと作品解説を読んで思いました。また、芸術文化センターのおそらくキッチンとして使われていたスペースにインスタレーションが施されていて、映像作品も観ることができました。どちらの作品もかなり深く作りこまれており、個人的には作家さんの意図を作品だけで汲み取ることは難しかったです。だいぶ作品解説に助けられました。

久保寛子さんの作品は、とにかく壮大。青いシートで大きい展示もありつつ、土器のようなものまで。動物がモチーフとなったものもあり、静物でありつつも生き物の強さのようなものを感じる作品でした。
サイン付きのの図録も購入させていだき、自然や都市の中での作品の写真を楽しめました。実物の作品を観たくなった。

ここまでが、1回目の訪問。後半はだいぶ頭が疲れていて、展示をじっくり見てもなかなか理解するところまで行くことができず、今回のブログでも後半になるにつれて単純な感想しか出なくなっています(笑。
2回目の訪問は芸術文化センターの8階。
ここには映像作品が多くあり、一つ一つの作品が見応えがありました。
また、部屋を丸ごと一つ使うような展示もあり、情報の多さに圧倒されました。
まず、シルビア・リバスさんの作品では、羽音の煩さをとても感じたし、実際の現場にはいないのですが、近くにハエがいるような錯覚にも陥りました。ハエが苦手な人にとってはかなりキツイ展示なんじゃないかなと思います……。映像はとても綺麗なんですけど、ね。

ロバート・ザオ・レンフイさんの作品は、ヒトと自然の関わりの最前線を感じる展示でした。森の中にあるヒトや生き物の痕跡、そして森を開発している現場や動物たちが街で暮らす様子などを映像や音、実物から感じることができました。開発が進む森や都市の中で生きていく人と動物の共生の道を模索してるんだなと思ったりしました。

是垣さくらさんの展示は、とてもダイナミックでした。鯨たちとヒトとの関わりを、インスタレーションで表現されていました。個人的にはここで見られる鯨が一番印象的で、雄大にたたずむ姿がとても印象的で、好きでした。

部屋全体が海の中のようで、天井にはゆったりと泳いでいるように見える巨大な鯨、その下には捕鯨のための道具や歴史、資源としての鯨の使われ方、生き物としての話などなど、鯨という雄大な生き物の存在感を感じることができました。海中に降り注ぐ光のようなこの展示もとても良い。

まとめとして
国際芸術祭「あいち2025」を振り返ると、わたしが気に入ったものは動物の姿や形が感じられるものが多かったと思います。元々、動物園や水族館が好きだったこともあり、やっぱりわたしは動物が好きなんだなあと再認識できました。
また、動物と触れ合うというよりも、ヒトと動物の関わりについて特に興味を持っているんだということがわかりました。鯨や動物を模した土器などに興味を持ったのはそれが理由なのかなと今では思います。

コメント