生命の水!? 撮影しました。
盛大な釣りタイトルかもな、と思いながら本投稿を書き始めています。
生命の水とは”aqua vitae”が由来とされるウイスキーのことです。他にも生命の水と呼ばれる飲み物は多々あるらしく、Wikipediaでウイスキーを調べてみると語源について色々と記されておりました。
ここでは色々と割愛しますが、漢字で火酒、烏伊思幾と書かれたとも。
スコッチウイスキーを撮影
今回撮影したのは2つのウイスキーです。
ウイスキー好きの知人に影響されて、私もボトルを買うようになってしまいました…。今まで飲んだことがあるウイスキーといえば角、白州、知多などのハイボールのみで、飲み会のみでの飲酒だったこともあり話すことに夢中でなかなかウイスキーそのものに注目するということはありませんでした。しかし、どうしても飲んでみたくて近所のスーパーで,、ソコソコの値段で、かつ聞いたことのあるスコッチウイスキーを衝動的に購入してしまいました。
ボウモア12年 ハーフボトル
これが最初に撮影したボウモア12年のハーフボトルです。
そして、購入したからにはしっかり撮影しなければなりません。



個人的な決め事なのですが、撮影前にできるだけ被写体に対する理解を深めるるために色々と調べ物をしています。ボウモアというワードを調べるだけにとどまらず、そもそもウイスキーとはどういうものなのかから調べました。 そのおかげで初めて購入したこのボウモア12年ハーフボトルを開栓するのは1週間ほど後になってしまうのですけどね….。
ハイランドパーク ハラルド
次に購入したボトルは、ハイランドパーク ハラルドです。近所の成城石井で購入しました。購入時期はボウモアを購入して週に1度か2度ほど楽しみつつ、新しい味を知りたくなってきた頃でした。成城石井ならちょっと良いウイスキーが手軽な値段で手に入るのではないかという浅い考えのもと、ウイスキーを物色しに行ったところ、このボトルに出会いました。
ちょうど、週刊少年ジャンプで連載中のワンピースでハラルドという巨人が登場するエピソードを読んでいたため、尾田先生も飲んだのかな~なんて適当なことを考えながら衝動的に購入しました。しっかりケースに入っているウイスキーボトルを買うのは今回が初めてで、地味にテンションが上がっていました。




ハイランドパーク ハラルドの撮影はかなり難航しました。ラベルのギラギラ感、ハイランドパーク蒸留所があるアイランズがどういうところなのかの情報収集、ハラルド王という存在についての情報収集など、自分の中にイメージを作るために色々と情報を漁りました。世界史にはまったく興味を持てなかった学生時代を過ごしたので、北欧の歴史やハラルド王について予備知識無く頭に情報を入れるのに苦労しました。名前やエピソードが難しすぎた….。某動画配信サービスで、北欧やハラルド王が題材として扱われている作品を観たりもしました。この時点でお察しかもしれませんが、ハイランドパークハラルドは購入してから1カ月ほどは開栓することができませんでした…..。
撮影に際して狙ったこと
ウイスキーに関する情報はネットを検索すればかなりたくさん出てくるのでここでは述べずに、撮影に際してどのように画作りをしていったかを書いておきます。
「色」を出す
まず、ウイスキーの色をしっかり出すための施策を考えました。たいていの場合、透明な瓶に入れられた飲み物の色を出す場合は瓶を透過するように照明を配置します。今回もその例に漏れず、光が瓶を透過するに照明づくりを行いました。
また、実はボウモアの色はこのページに掲載されている写真ほど茶色ではありません。サントリーのホームページや色々な販売サイトを拝見すると、もっと明るい茶色もしくは濃いオレンジ色のように見えると思います。「琥珀色」と表現されており、ボウモア15年の赤褐色と比べるとやや黄色味の方が強くなる印象ですが、今回は初めてしっかり味わうスコッチウイスキーの深みのようなものを表現するために、この色味で撮影を行いました。
ハイランドパークハラルドに関しても、ハイランドパークのInstagramやホームページを見るともっと明るい色味で撮影されています。しかも、やわらかい色味のグラデーションが背景に施されており、自分がイメージしていた北欧とは一味違っておしました….笑。
「香り」が想像できる
ウイスキーのテイスティングノートというものが、ネットを漁ると色々と出てきます。記されているワードについてはわかるものとわからないものがあるのですが、そのウイスキーの味や香りを想像する手助けとなります。
今回撮影したスコッチ、場合によってはアイラモルトとも呼ばれたりしますが、このウイスキーたちは個性的な香りが特徴とされています。本ブログ執筆時点ではボウモアもハイランドパークハラルドも開栓済みで幾ばくか飲んでいるのですが、これまで居酒屋で飲んでいたハイボールとは香りが全然違いました。もちろん、ストレートの場合の香りやハイボールの場合の香りは異なるものなので一概には言えないのかもしれませんが、ボウモアとハイランドパークハラルドを比べても全然香りも味も違いました。ウイスキー、そしてアイラモルトにはそれぞれの個性があるということを体験できました。撮影時には、そのウイスキーの香りを想像させるように、木や煙を入れ込むようにしました。
「買いたい」と自分が思えるか
私は、「飲みたい」と思ってウイスキーを購入しているので、写真を観た人に「飲みたい」と思ってもらえる画作りをするには少し難しい状況でした。そもそも自分が飲みたいと思っているから、どう撮っても飲みたいウイスキーという写真にしかなっていない気がしたのです。きっと、プロの諸先輩方はそれを乗り越えて画作りするのだろうなと思ったりしていますが、今回は「飲みたい」よりも「買いたい」と思える画作りを目指しました。自分で飲むために買うもよし、贈答のために買うもよし、という画作りを目指しました。 結果として、自分好みなクールな大人な印象づくりとなりました。
ハイランドパークハラルドに関しては、少し挑戦的なカットも1つ撮りました。これはオフィシャルのハイランドパークの印象にどこまで近づけられるかと、自分を試してみたかったからです。本当はもっとウイスキーの色を明るくした方が良いのだろうなとか、ラベルの字をもっと出した方が良いのだろうなと色々と反省点がありますが、私の歴史の一部としてこのブログに掲載しておきます。
ウイスキー撮影を終えて
とにかく難しい、かもしれない。瓶への映りこみをどう避けるのか、もしくは撮影後に消すか。ウイスキーの正しい色とは何か?ボトルの色やラベルはどこまで主張させるのか。「飲みたい」や「買いたい」という衝動を呼び起こすための手助けとなる小道具をどう用意するか。蒸留所やブランドが培ってきた価値観や、これから訴求したいお客様は誰なのか。自分の中に答えを持たなければなりません。
もちろん、今回撮影した写真はボウモアでもハイランドパークでも使用されることは無いのですが、自分なりの戦略や戦術が必要です。広告写真という目線で言えば、この写真によってどの程度の売り上げが見込めるのか、つまりは新しい顧客への訴求や既存の顧客への訴求がどの程度かを見積もらねばなりません。今回の撮影は個人的なものにはなりましたが、そこまで考えてシャッターを切るということがカメラマンや写真家に求められていることだと考えていますし、目指すべき姿はそこにあると信じています。
撮影後、この2本のウイスキーを楽しんでいます。あまりお酒に強くないので飲酒しない日もありますが、トゥワイスアップもしくはストレートで少しずつ飲んでいます。これから気温がどんどん下がってくるのでお湯割りもアリかな、など色々な飲み方を試していこうと思います。ハマるとどんどんウイスキーボトルが増えていきそうで恐ろしい…..。
それでは、また。